全国高校バスケットボール選手権(ウインター杯、23日開幕=東京体育館ほか)に女子の開志国際は北信越ブロック推薦校として出場する。14年創部以来、7年連続出場で第1シード。2回戦からの登場で実践学園(東京)-草津東(滋賀)の勝者と対戦する。主将2人制を採用するチームの主将の1人、PG各務早紀(3年)は埼玉・豊野中では全中2連覇のメンバー。豊富な経験を駆使してチームを上位進出に引っ張る。

各務はコートで足を使い、頭を働かせる。ボールを前に運びながら相手の動き、状況を冷静に観察する。「(味方の)誰が調子いいか。シュートが入っているか。試合を見て、その選手がシュートを打つフォーメーションを増やす」。危険なシーンを察知する“センサー”も好感度。ダブル・キャプテンの相棒、G松山玲奈(3年)は「各務らのアウトサイドの選手は危険察知能力が高く、カバーにいくのが速い」と言った。

「試合には臨機応変に対応する」という各務は全国NO・1の“味”を知る。埼玉・豊野中2、3年時に全国中学バスケットボール大会で2連覇。1年時は埼玉県選抜メンバーとして都道府県対抗ジュニアバスケット大会で優勝もした。一方で「勝つのは簡単ではない」と言い、難しさも知る主将を伊藤翔太監督(32)は高評価した。「キャリアがある。勝負どころがよく分かっている」と戦術眼を信頼していた。

現チームは実戦経験が少ない。コロナ禍でインターハイがなくなり、地区大会と県予選も中止。7月には今季初の公式戦、県選手権第1ラウンド(U-18)が行われたが、2試合だけ。社会人、大学生らと戦う8月の同第2ラウンドは中止になった。各務は「インターハイもなくなり、雰囲気はユルユルになった」と言う。それでも12月のウインター杯開催を信じてチームはまとまった。「たくさんの人に支えられていることに目を向けて感謝を示せるようなプレーをしたい」。高校最後の全国大会はその思いを胸に秘めてコートに立つ。【涌井幹雄】

◆各務早紀(かがみ・さき)2002年(平14)5月26日生まれ、埼玉県幸手市出身。埼玉・春日部市立豊野中卒。バスケットボールは幼稚園時から幸手サンフレンドで開始。ポジションはガード一筋。158センチ、51キロ。血液型A。