東京成徳大が117得点を量産して初戦を突破した。粘り強いディフェンスからスピードに乗った展開力で、精華女子(福岡)を終始圧倒した。山田葵主将(3年)は「スピードのあるオフェンスができた」と満足げに試合を振り返った。

東京予選の決勝リーグで、1位になった八雲学園に1点差で敗れた。「八雲戦ではディフェンスのプレッシャーが足りなかったので、プレッシャーをより強くする練習をたくさんしてきた。それを意識した」と山田。敗戦の薬が全国大会で効いたようだった。

コロナ禍でチーム練習ができなかった約3カ月間、毎日、SNSのラインを通じてチームメートとトレーニング方法や食事などについて情報を共有してきた。それが練習再開後の高いモチベーションにつながったという。現在は試合後の消毒、練習中の換気、マスク着用を習慣にし、着替えも密を避けるために学年で更衣室を分けて使っている。

総体、国体が中止となり、今大会が3年生にとって最後で唯一の全国大会になる。「一時はモチベーションが下がったこともあったけど、支えてもらっている方々の感謝の気持ちをあらためて感じることができて、初心に戻って謙虚な気持ちでやれるようになりました」。山田は勝利のうれしさ以上に、スポーツができる喜びをかみしめていた。