3大会ぶり11度目出場の東海大静岡翔洋は、1トライも奪えず、姿を消した。歴代最多15度の優勝を誇る古豪・秋田工に0-68で完敗。フィジカルで勝る相手に圧倒され、県勢としては7大会ぶりの初戦敗退となった。

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東海大静岡翔洋が全国大会の厚い壁にはね返された。立ち上がりは体を張った守備で相手の反則を誘発。敵陣に攻め込む場面もあったが、ワンプレーで流れが変わった。前半7分、中盤での密集からターンオーバーを許して先制トライを献上。今春就任した津高宏行監督(37)は「全国では少しのミスも見逃してくれない」と振り返った。

その後はフィジカルで上回る相手の強力な突破に苦戦。合計12トライを奪われて完封負けした。フッカー清(せい)太陽主将(3年)は「相手選手全員のコンタクトが、全国レベル。モールで押し込まれてしまった」と唇をかんだ。

それでも、トップリーグ・ヤマハ発動機元選手の津高監督の指導を受けて、走力と展開力を武器に3大会ぶりの花園切符をつかんだ。3年生たちに対して指揮官は「目指すラグビーを理解し、実践してくれた」とねぎらった。

同校最高成績となる、ベスト8進出の夢は後輩たちに託された。この日は下級生4人が先発に名を連ね、清主将は「来年は今回の代よりも強い。この経験を糧に、全国で勝ち上がってほしい」とエール。WTB杉山朝日(2年)は「チームを引っ張り、来年も花園に戻ってくる」と顔を上げた。【古地真隆】