山名里奈(21=山梨学院大)が初の全日本王者に輝いた。前日の2種目を終えて首位で迎えた1000メートルで優勝、続く3000メートルスーパーファイナルでも2位に入り、1種目目の1500メートルから総合成績で首位を譲ることなく、完全優勝を果たした。「全日本という大きな舞台で、上の4人はいませんが、総合優勝できてとてもうれしいです。最初は緊張していましたが、自分のレースができました」と喜んだ。

この日の1種目目となった1000メートル決勝では、中盤で一気に先頭に躍り出た。「思ったより早く前に出て『しまった』と思ったが、その後は落ち着いてコントロールできた」と転倒が起きた後続集団を尻目にゴールイン。何度もガッツポーズをみせ、総合優勝も大きく引き寄せた。

今季から練習拠点を故郷の兵庫県から大学のある山梨県に移した。より集中できる環境に身を置き、代表合宿などでも質の高い毎日を送れた。「自分より上の選手がいるので、置いていかれないようについてついて。それで自信にもなるし、それで変わったかなと思います」と糧にした。試合でも実績上位の選手に臆することなく向かっていけた。

「いままでの試合での課題を克服できた」と精神面でも、優勝が一層の自信を生む。「1番の大きな目標は五輪に出ること」と来冬の北京五輪を見据えた。