男子シングルス決勝は青森山田のOB対決となり、宮城・大和町出身の及川瑞基(23=木下グループ)が4-3で森薗政崇(25=BOBSON)に逆転勝ちし、初優勝を飾った。

及川が9年越しの雪辱を果たした。青森山田で2学年先輩の森薗とは、13年の全国高校総体(北九州市)シングルス決勝で顔を合わせ、まだ1年生だった及川は1-4で涙をのんだ。この日も第1、第2ゲームを先取されるなど1-3と追い込まれ、一時はマッチポイントも握られる崖っぷちから3ゲームを連取。160センチの小柄な体から速いテンポで強打を繰り出し、巻き返した。国内最高峰のビッグタイトルを決めると、人さし指を突き上げ、喜びを静かにかみしめた。

幼稚園の年長から仙台ジュニアクラブで卓球を始め、東京オリンピック(五輪)代表の張本智和(17)の両親が営む張本卓球道場(仙台市宮城野区)でも腕を磨いた。青森山田中から青森山田高に進み、専大を経て昨年からTリーグの木下マイスター東京でプレーする。前日16日の準々決勝は、弟分で木下グループでも同僚の張本と同門対決になり、4-1で完勝した。

全日本は昨年、男子ダブルスで優勝したが、シングルスは高校1年時の16強が過去最高だった。天皇杯を手にし「正直びっくりしているが、うれしいの一言。目標にしていた優勝が本当に実現すると思っていなかった。世界でもっと活躍していきたい」。世界ランキング64位から飛躍の1年にする。