スケートに取り組むきょうだいの長男、本田太一(22=大阪)が現役最後のSPで56・19点を記録し、12位発進となった。

冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は氷に下半身を打ち付ける形で転倒。それでもすぐに立ち上がり、2連続の3回転トーループ、3回転フリップを着氷させた。3回転半は練習から調子が良くなかったといい「練習で跳べていなくて、試合で跳べる訳ない。他の2つはこらえられたので及第点ですが、悔しさはあります」と素直な心境を明かした。

元世界ジュニア女王の真凜(19=JAL)、女優と両立する望結(16=プリンスホテル)、末っ子の紗来(13=大阪・関大中)と3人の妹たちは、幼少期から、長男の背中を追ってきた。今大会には同学年で仲が良い友野一希(22)と、大阪を背負って出場。今春の関大卒業後に就職する本田は、29日のフリーが現役最後の演技となる。

「最後の瞬間は悲しさがあるかもしれないけれど、4分間、強い気持ちをもって、1秒1秒をかみしめながら滑りたいです。(友野)一希と出られたのは感慨深いし、お互い意識している部分があるけれど、これだけボロボロだと…。明日は『強い大阪』を見せられるように頑張ります」

全ての思いを4分間に込める。【松本航】