コーチの気持ちが分かった! 同じシスメックス所属の坂本花織(20)が個人1位、三原舞依(21)が4位となり、兵庫県を都道府県別成績で優勝に導いた。

まずはショートプログラム(SP)5位の三原が、スピン3つ全てとステップで、最高のレベル4とした完成度の高い演技を披露。SP首位の坂本が最終滑走でリンクに立つと、三原はリンクサイドで見守った。国体らしい形で応援し、表彰式後に心境を明かした。

三原 いつも同じリンクで練習していて、リンクの中で見る、かおちゃん(坂本)のフリーと、フェンスの外で応援して見るフリー。グレアム(充子)先生も、中野(園子)先生もジャンプを降りる時に「はいっ」って言うんです。そうやって言っちゃうのが、よく分かって…(笑い)。

坂本 ループの時が一番(三原の声が)分かった! 

三原 「よしっ!」って思って「はいっ」って言いたくなっちゃって…。(坂本が)最後まで滑りきった時は「さすがだな」っていうのと、うれしさがMAXで、かおちゃんよりガッツポーズしていました。

今大会への出場は、坂本が三原に対して促したという。三原は12月の全日本選手権後の調整が万全とは言い切れなかったが、できる限りの演技を2日間で披露した。坂本は前日29日のSP後に「年明けぐらいに出るか出ないかという感じになっていて『お願いです、出てください』って頼みました。兵庫県として一緒に出られるのは国体しかないので」と笑って明かした。

ともに4大陸選手権で優勝した経験を持ち、国際大会でも数々の成績を残してきた。兵庫県のジャージーを着た2人は、優勝の価値をかみしめた。

坂本 こうやって兵庫県代表という形で国体に2人で出て、優勝できるのは自分にとってうれしいことです。兵庫県民の皆さまにも元気を与えられたかなと思うので、こういう大変な時期なんですけれど、それでも自分たちの演技を見て、ちょっとでも「元気づけられた」と言ってもらえるようなことが、ちょっとはできたかなと思います。そうあってほしいと思います。

三原 かおちゃんのおかげで優勝できたので、本当にうれしいです。国体に出られて、優勝できたのは本当にうれしいですし「少しでも貢献できたらいいな」と思っていたので、チーム兵庫の一員として(国体に)出られたのが、うれしくてたまらないです。

日々切磋琢磨(せっさたくま)する2人は、多くの収穫を胸に、拠点の神戸へ戻る。【松本航】