北京は史上初の夏冬オリンピック(五輪)開催を待つ。中国政府は準備を加速。北京と河北省張家口に点在する主要施設の工事がほぼ完了し、昨年11月の国際オリンピック委員会(IOC)理事会では全ての競技会場が年内に完成する見通しが報告された。

選手村も建物が完成。北京と張家口を結ぶ高速鉄道や高速道路も開通した。習近平国家主席は先月中旬に各会場を視察し「(開幕まで)あと1年余りだが、準備作業は順調。予定通りの開催が目標」と明言した。

一方、昨年12月に予定されていたフィギュアスケートGPファイナル(北京)など全競技のテスト大会が中止。関係者の視察も延期となった。フィギュアとスピードスケートは今年10月の試験開催が決まったもののスキーなどは不透明だ。

新型コロナも抑え込めるか。1月に入って北京と河北省で感染者が増加し、一部で都市封鎖に踏み切る厳戒態勢となった。共産党関係者は「東京五輪が予定通り開かれれば感染防止策の手本にできるのだが」と日本の動向に注目している。

◆国際オリンピック委員会(IOC)は1月28日、新型コロナウイルスの影響を受けている北京冬季五輪の予選について、全15種別のうち11種別で再開し、出場枠は17%が確定したと明らかにしている。種別は競技と種目の中間の位置付けで、例えばフィギュアスケート男子の場合はスケート競技の中のフィギュアという種別で男子が種目となる。