東地区4位でワイルドカード(WC)1位の仙台89ERSは90-88で香川ファイブアローズを振り切り、前日は1点差で敗れた相手に2点差で雪辱した。笹倉怜寿(23)と沢辺圭太(25)のガード2人がチームをけん引。東日本大震災から10年を迎える「3・11」を前に、被災地でもある南三陸町開催を通算8勝7敗と勝ち越した。

最終クオーター(Q)終盤、最大13点リードから1点差まで迫られたが、逃げ切った。桶谷ヘッドコーチは「節目の10年に南三陸の試合を勝ち越せてホッとしています。1つ1つのポゼッション(ボールキープ)を大事にして、僕が思っていた通りにやってくれた」と選手たちをたたえた。

笹倉が逆転勝ち越しシュートを含む計17得点、沢辺は第3Q序盤の3連続シュートを含む計14得点7アシストと活躍した。月野雅人主将(33)を故障で欠く中、主将代行を任され、この試合のMVPとアシスト賞に輝いた沢辺は「オフェンスで失敗したらディフェンスで頑張る。元気や感動をプレーで見せることしかできないけれど、南三陸町で戦う意味を全員が理解して勝つことができた」と笑顔。次節は6、7日にアウェーで、WC2位で同じく昇格プレーオフ圏内にいる山形ワイヴァンズとの「仙山戦」に臨む。【佐々木雄高】