フィギュアスケートの世界選手権(ストックホルム)は25日、男子ショートプログラム(SP)が行われる。

24日は滑走順抽選が行われ、4年ぶり3度目の優勝が懸かる羽生結弦(26=ANA)は最終組2番目の29番滑走。17番の鍵山優真(17=星槎国際高横浜)、23番の宇野昌磨(23=トヨタ自動車)の後に登場し、3連覇を目指すネーサン・チェン(21=米国)が最終滑走直前の32番となった。

羽生はSP前日の公式練習で好調ぶりを維持。フリー「天と地と」をかけての通しで、サルコーやトーループの4回転ジャンプに成功した。現地入り後に発した「最終的にそこ(納得できるもの)までたどり着いてこそ、皆さんに何か伝わる演技だと思う」の言葉通り、着々と準備を進めた。

新型コロナウイルスの影響で今季2戦目。優勝した昨年12月の全日本選手権と異なり、今大会は初めての無観客試合となる。普段は海外の会場でも世界中のファンから声援を受けるが、静かな舞台で演技をする。

それでも日本には背中を押す存在がいる。名前が似ていることから「聖地」となっている弓弦羽神社(神戸市)には、SP前日も活躍を願うファンが参拝。桜満開の境内に思いを込めた絵馬が奉納された。参拝者は世界選手権が近づくにつれて増えているという。

今大会は22年北京五輪の枠取りとなり、4大会連続の最大3枠確保を目指す。「現地に来て滑るからにはやっぱり、何かしら意味のあるものにはしたい」。そう静かに闘志を燃やす羽生が、リンクに立つ。