元バレーボール男子日本代表リベロで今季現役を引退した古賀幸一郎さんが9日、川崎市内にあるVリーグ女子1部のNECレッドロケッツの練習施設を訪れ、選手たちを指導した。

リーグでベストリベロ賞を6年連続獲得した名手の金言に触れ、選手たちは手応えをつかんだ様子だった。今月末から大坂で行われる黒鷲旗全日本選抜大会に向け、教わった技を磨いて優勝を目指す。

古賀さんは2009年に廃部した男子のNECブルーロケッツに一時在籍。当時、金子監督とはチームメートだった。選手たちに刺激を与えたいと指導を依頼され、今季所属したウルフドッグス名古屋のプレーオフ進出に合わせ上京していたタイミングで来訪。8日~10日までチームの体育館に訪れ、現役時代に培ったディフェンス技術を伝授することになった。

8日に全体練習を見学した古賀さんはこの日、そこで気づいた点を踏まえてレシーブの基礎技術などを指導。「身体のどこを使ってもボールが上がればいいよ」や「腕をリラックスした状態で面を作るように」とアドバイスすると、形にこだわる傾向があった選手たちの考えにも変化。従来のやり方にとらわれず練習に励む姿が見られ、表情には新しい発見をした喜びが見えた。

アウトサイドヒッターの曽我は「レシーブの安定性は自分の課題にしていたので、教わってすごく良かった」。主将の山内は「ボールを上げればいいんだと考えると、やることはいたってシンプル」と目からうろこな様子。修正を加えながら自分の理想に近付けたいと意欲を見せた。

古賀さんは「(バレーは)フィギュアスケートやボクシングといった採点競技のように、正しい形でやることは求められていない。いろんなやり方がある中で正解はないということを伝えて、遊び感覚でどんどん挑戦してもらったうれしい」と話していた。【平山連】