世界2位の大坂なおみ(23=日清食品)が、日本人対決となった自身のクレー(土)コート今季初戦を勝利で飾った。予選勝者で同79位の土居美咲(30)に7-5、6-2で勝ち、2回戦では同20位のカロリナ・ムホバ(チェコ)と対戦する。大坂のクレーでの勝利は19年5月の全仏2回戦以来、約1年11カ月ぶりとなった。

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最後は、6本目のサービスエースだった。大坂は優勝した20年全米1回戦でフルセットとてこずった土居に対し、「同じ日本選手とはやりにくい。多くのことを考えちゃう」と、この日も出だしは手を焼いた。いきなり0-2とリードされたが第1セットを接戦で先取すると、そのままストレートで突き放した。

クレーの勝利は、19年全仏2回戦以来701日ぶりだ。試合自体、20年2月の女子国別対抗戦対スペイン以来約1年2カ月ぶり。昨年は、敗れたその1試合しかクレーでは戦っていない。「今年、最初にクレーで練習したときはイライラしちゃった」と漏らした。

ツアー本戦で、ハードコートの大坂の生涯成績は、118勝51敗。169試合を戦い、勝率は7割近い。しかしクレーは、この日を入れて21勝15敗。36戦しか経験がなく、勝率は5割8分ほどだ。ハードと比べ、100試合以上も経験が少ないクレーで「もっと経験を積みたい」と、克服に意欲的だ。

バウンドしてから球足が遅く、ポイントが決まりにくい。不規則バウンドも多く、我慢が必要だ。足を滑らせるフットワークも、ハードコートとは全く異なる。「でもそれは当たり前。冷静に受け止めないと」と、心を落ち着かせる。

3月のマイアミオープン準々決勝で敗れ、連勝が23で止まった。その後、久しぶりに両親と会いリフレッシュ。「(感染対策の)バブルがないところで、ゆっくりできた。今は、テニスに戻ってきて興奮している」。すっかり気持ちを入れ替え、新たにクレーへの挑戦を楽しむつもりだ。