パナソニック(ホワイトカンファレンス1位)がトヨタ自動車(レッドカンファレンス2位)を振り切り、決勝(23日、東京・秩父宮ラグビー場)進出を決めた。

ゲーム主将のフランカー布巻峻介(28)は「最後は点差が開きましたが、前半は苦しい時間帯が続いた。後半勝負になると思っていた。後半しっかりギアを入れられた」と総括した。

まさに電光石火だった。前半キックオフはトヨタ自動車。そのボールを処理したパナソニックは、左へ大きく展開した。大外でボールを受けたのは、19年W杯日本代表で今季限りでの現役引退を表明しているWTB福岡堅樹(28)。1人振り切ると、1度は味方にボールをパスし、再び受けて左隅に飛び込んだ。開始わずか30秒程度、公式記録は前半1分の先制トライ。「相手をしっかり分析できていた。いい形のスタートになった。最初に流れを作る意味でも、トライは重要だと思う」。チームに流れを引き寄せた。

そこからは相手に3トライを許し、劣勢の展開。それでも19年W杯日本代表SO松田力也(27)が3PG、1DGを決めて、前半を17-18で折り返した。

1点を追う後半20分には途中出場のBK山沢拓也(26)が逆転のトライ。同29分、37分にはWTB福岡がトライを挙げて、勝負を決定づけた。福岡はこの日、3トライの大活躍だった。

準決勝は16日、花園でサントリー(レッドカンファレンス1位)-クボタ(同3位)が行われる。福岡は「とにかく悔いが残らないように全てを出し切って、パナソニックとして、もう1度優勝を経験できるように、全力を尽くしたい」と誓った。22年1月には新リーグ開幕を予定。パナソニックは「最後のトップリーグ王者」を目指して、決勝の舞台に立つ。