Bリーグ王者を決めるチャンピオンシップ決勝(2戦先勝方式)で、レギュラーシーズン東地区2位の千葉ジェッツが同1位宇都宮ブレックスに先勝し、初優勝まであと1勝とした。

東京オリンピック(五輪)の日本代表候補エドワーズ・ギャビン(33)が、途中出場でチーム最多15得点をマーク。12リバウンドも記録し、勝敗を分けるポイントとされていた空中戦制圧に貢献した。第2戦は30日に行われる。

   ◇   ◇   ◇

身長206センチのビッグマンが、大一番で存在感を放った。ベンチスタートながら、チーム最長に並ぶ29分50秒間コートに立ち続けたエドワーズは、リングからこぼれたボールを次々と確保。身長205センチのサイズとともに空中戦を制し、「きょうの試合にはリバウンドにフォーカスを置いて臨んだ」。第4クオーターにはダンクを決め、チームに勢いをもたらした。

対戦相手の宇都宮も、ロシターら大型プレーヤーがそろう。それでも千葉は44リバウンドと、30だった相手を圧倒。そのうち12リバウンドをエドワーズが記録した。チームメートで主将の富樫は「『外れてもリバウンドを取るからシュートを打て』と声を掛けてもらっている」と感謝。大野監督も「ハードワークをしてくれた。ゴール下でビッグマンたちが身体を張ってくれた」と評価した。

米国出身のエドワーズは、韓国、ウクライナ、ギリシャなどでのプレー経験を経て13年に来日。17年から千葉に加入した。昨年1月に日本国籍を取得し、日の丸のユニホームを着て東京五輪でプレーすることを目指している。チャンピオンシップ決勝はその代表枠を争うロシターとの“直接対決”となるが、何よりもチームの勝利を意識する。第2戦でも「エナジーを持ってプレーしたい」。過去2度の決勝では、チームメートとともに悔しさを味わった。今度こそ、日本一をつかむ。【奥岡幹浩】

◆新たに日本国籍を取得した選手の登録枠 国際バスケットボール連盟の規定では、16歳以降に国籍を変えた選手の代表登録は1人までとなっており、そのルールは五輪でも適用される。14日に東京五輪代表候補20人が発表されたが、19年W杯の主力だったファジーカス(川崎)はメンバーから外れた。19年12月に日本国籍を取得したロシターと、20年1月に日本国籍を得たエドワーズが、1枠を争う。

○…4年ぶりの優勝を目指す宇都宮の安斎監督は、「自分たちらしいバスケを展開できなかった」と首をひねった。得意のロースコアの展開に持ち込んだかに見えたが、パス失敗が目立つなど攻撃面で課題が出た。レギュラーシーズン最高勝率を記録し、チャンピオンシップ準々決勝、準決勝と無敗で勝ち上がってきた実力派チーム。指揮官は「今日の経験を明日に生かしたい」と巻き返しを誓った。