シュタイアーマルクGP金曜フリー走行でアルファタウリ・ホンダの角田裕毅は15位に沈んだ。しかしソフトタイヤを履いた予選想定アタック時にギアボックスに不具合が生じ最速タイムが記録できなかったためで、実際には中団グループ上位に匹敵する速さを持っていた。

「ソフトタイヤでのアタックラップで、最後にニュートラルに入る問題が出たんです。そこまでは(ハードで記録した)自己ベストタイムに対してかなりタイムをゲインしていたので、タイムが記録できなかったんです」

その後、角田はソフトタイヤで14周に及ぶ決勝想定のロングランを行ったが、タイヤの性能低下が早く、ロングラン改善の方が大きな課題だと語った。

「僕としてはそんなに一発のラップタイムを追い求めることなく、もっとマシンバランス、特にロングランでのマシンバランスを改善することに集中しています。前戦フランスGPと同じような問題でロングランの方に苦労しているので、その解決策を見つけ出す必要があります。ロングランに関しては、まだまだやらなければならないことが山積みだと思います」

ピエール・ガスリーはフリー走行1回目に2番手タイムを記録したものの、その中でパワーユニットに異常なデータが発生したため、万全を喫して午後の走行を取りやめてパワーユニットとデータの確認に充てた。ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターはアルファタウリとガスリーに申し訳ない気持ちでいっぱいだと語った。

「ガスリー選手のパワーユニットにデータ的に異常な部分が見られたので、その確認のためにFP2の走行をすることができませんでした。FP1の走行の中でデータの異常が見つかっていて、その原因がなんなのか詳細確認をするために、FP2の走行を断念せざるを得なかったということです。ガスリー選手はFP1で2番手タイムを記録していて、それをさらに伸ばすために色々トライをする予定だったんですが、ガスリー選手とチームに非常に申し訳なく思っています」

(米家峰起通信員)