19年のジュニアグランプリ(GP)ファイナル王者で、シニア2年目を迎えた佐藤駿(17=フジ・コーポレーション)が今シーズン初戦を終えた。

黒のジャケットにネクタイ姿で氷に乗ると、今季のフリー曲「オペラ座の怪人」にも乗って滑り出す。冒頭の4回転ルッツは転倒。成功例がある現在最高難度のジャンプこそ決められなかったが、4回転トーループ-3回転トーループと3回転フリップ-2回転トーループの両2連続ジャンプは、きれいに成功させた。

前日のショートプログラム(SP)は新技の4回転フリップを初披露するなど74・31点で首位。一方で転倒していたトリプルアクセル(3回転半)を、この日は2本とも決めて修正力の高さを見せた。予告していた4回転ジャンプは4本ではなく3本だったが「2本目で4回転フリップをやりたかったけど、最初に(4回転ルッツで)転んでしまって。練習では、こけてはいなかったんですけど。それでスピードが上がらなくて3回転ループに変えました。構成を見直して2本目に4回転トーループ、3本目に4回転フリップにするとか考えていきたい」と説明し、修正点も語った。

目指す来年2月の北京オリンピック(五輪)へ、試したい構成を確かめて好発進。「SPのフリップは回転不足を取られてしまって残念だったけど、課題が見つかったので次はきれいに跳びたい。フリーは最後まで体力が持つように」と改善点を挙げた。

今後はGPシリーズ第1戦スケートアメリカ(10月22~24日、ラスベガス)と第5戦フランス杯(11月19~21日、グルノーブル)にエントリーしており「2カ月後には初戦。フリップ、アクセル、フリーの最初のルッツを重点的にやっていきたい」と武器のジャンプの質を高めていく。【木下淳】