東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会の米村敏朗チーフセキュリティーオフィサーと岩下剛警備局長が14日、NEC主催のオンラインイベントに参加し、大会時のセキュリティー対策の舞台裏を語った。

ビデオ出演した米村氏は「(コロナに)打ち負けなかったということだけは、間違いなくそうだった」と振り返った。イベントに登壇した岩下氏も「大きな事故なく完遂できた」と評した。

安全を担保する上で大きく貢献したのが、大会史上初めて導入された顔認証システム。各競技会場など約330カ所に設けられ、延べ400万回の認証が行われた。最新技術の導入でスタッフが目視によるチェックする負担が軽減され、期間中にトラブルもなく円滑な運営につながった。米村氏は「ピーク時には延べ1日で17万人が通ったが、結果は一言で完璧」とたたえていた。

大会に関わる警備については、関連企業でつくる共同企業体(JV)から多くを賄った。延べ53万人余りの警備員のうち、約9割がJVから確保できた。岩下氏は「『想像と準備』を徹底し、どのようなリスクがあるかを普段から考えてきた。大会を通してできた官民含めた機関間の連携が、今後のレガシーになる」と期待していた。