粘って初戦突破を果たした。B2仙台89ERSが、開幕カードでB2青森ワッツをオーバータイムを経て82-75で下し、準決勝進出を決めた。新外国人のジェロウム・メインセ(32)がチーム最多20得点、10リバウンド、4ブロックショットを成功。攻守で存在感を見せた。

2大会ぶり2度目の制覇を狙う仙台が辛勝した。第1クオーター(Q)から試合中盤にかけて、磨いてきたディフェンスが発揮できずプレッシャーがない状態でシュートを許す場面が目立った。攻撃でもミスによるターンオーバーでボールを渡し、詰め寄ることができないまま突き放され、前半を16点差で折り返した。それでも、後半は修正に成功。強度のあるディフェンスで息を吹き返し、第3Qはわずか8失点に封じて逆転ムードを作った。

試合は頼れる新外国人が振り出しに戻し、勝利も手繰り寄せた。2点差の第4Q終了間際、残り8秒でメインセがジャンプシュート。放物線を描いたボールはリングに吸い込まれていき同点。その後、5分の延長戦でも得点を重ねて奮闘した。「前半で16点差に離されてから自分の中でスイッチが入った。自分のリズムを取り戻して、点差が活力になってオフェンスにつながった」と振り返った。

有観客の前で新戦力が奮起した。昨季はB1広島でプレーし、期限付き移籍で加入した田中成也(30)は、3点シュート3本成功を含む13得点を奪い、猛アピールした。「練習してきたバスケットボールができずに相手に流れを持っていかれた。自分たちが求めているバスケットを明日は出したい」。19日はB1秋田と決勝進出を懸けた一戦だ。全員の力を結集して、東北唯一のB1クラブに今の実力をぶつける。【相沢孔志】