全日本柔道連盟は28日、オンラインで臨時理事会を開き、男子代表の新監督に04年アテネ五輪男子100キロ超級覇者の鈴木桂治氏(41)の就任を決めた。任期はパリ五輪までの24年9月末まで。女子は東京五輪で4個の金メダルに導いた増地克之監督(50)が続投する。

理事会後の記者会見で鈴木氏は、3年後のパリ五輪に向けて前任の井上康生監督(43)が9年間築いてきた選手に主体性を持たせる“井上イズム“を継承することを宣言。自身も重量級コーチとして支えた経験を踏まえて「監督として大きな変更や改革をする考えはない。今まで培ってきたものを深掘りしたい」と所信表明した。強化活動において、各自で取り組める睡眠やメンタルヘルス(心の健康)などの内面に関しても追求する考えを示した。

パリ五輪では、史上最多の金メダル5個を獲得した東京五輪以上の「全(7)階級金メダル」を目標に掲げた。08年北京五輪100キロ超級覇者の石井慧以来、3大会連続で金メダルを逃している最重量級復活を最重要課題に挙げ「世界で戦うだけでなく金メダルを取る選手を強化したい。勝ちにこだわりたい」と競争意識を促した。【峯岸佑樹】