日本バレーボール協会は30日、ビーチバレーの担当役員が選手の診断書を偽造していたことを明らかにした。昨年1月の国際大会のキャンセル手続きで提出された書類において、けがを理由に不参加と虚偽の記載をしていた。

診断書の偽造は刑事罰に問われる可能性があり、同協会は10月14日の理事会で当該者の処分について審議する。

診断書の偽造があったのは、昨年1月の国際大会「ワールドツアー男子イラン大会」に関連する私文書。この大会のキャンセルが完了するには(1)申請書(2)診断書(3)旅行証明書が必要だった。期日までに行われなければ、チームへの罰金や大会の出場ポイントが得られないことになっていた。

出場をキャンセルした1チームが東京オリンピック(五輪)代表選考で不利益にならないよう、担当役員が診断書の偽造を行った。同協会によると医師は関わっておらず、担当役員が過去に国際連盟に提出された診断書から引用し、当該チームがあたかもけがをして出場ができなくなったようにうその記載をした。部下にその文書を渡し、他の必要書類とあわせて国際連盟にメールで提出した。

今年9月に関係者から通報があり、同協会は担当役員に聞き取りを行った。そこで診断書の偽造を認めたことから事案が発覚した。

ワールドツアー男子イラン大会においては1チームのキャンセルが期日までに行われず、繰り上げで出場希望していた他のチームが大会に出られない事態があった。それにより協会幹部3人が懲戒処分になっていた。