ラグビー日本代表宮崎合宿に参加中のプロップ稲垣啓太(31=埼玉パナソニックワイルドナイツ)が2日、ファンへ厳しい声を要求した。

23日に大分で予定される世界ランク3位オーストラリア戦は、過去最高の8強入りを飾った19年W杯日本大会以来となる国内でのテストマッチ。W杯2大会連続出場中の大黒柱は「テストマッチは勝たないと意味がない。特に自国でのテストマッチが、どれだけ意味があるのか理解している。勝つ姿をお見せしたい」と誓い、ファンに要望した。

「勝つために準備して、準備して、準備して…。それで結果が出なかったら、ののしってもらう方が楽。『こんな試合しやがって』とか、そういうレベルにいっていい。僕らはそんなことを言わせないように、結果を残せるように準備する。我々も、ファンの皆さんも、ステップアップする時だと思っています」

15年W杯イングランド大会は、初戦で南アフリカから歴史的勝利。その一戦に稲垣も途中出場した。同戦まで日本代表のW杯通算成績は1勝2分け21敗。19年日本大会では1次リーグを全勝で突破した。23年フランス大会まで約2年となり、稲垣は力強く言い切る。

「ファンの皆さんも目が肥えてきている。結果が出ていない時は『良かったね』で終わらせたらダメ。『勝てなかったけれど、いい試合だったね』は望んでいない。ファンの皆さんも厳しい意見を出すべき。選手とファンで強くしていかないといけないと思います」

秋のテストマッチ4試合に向け、宮崎の地でさらに準備を進める。代表として戦うことの意味をかみしめ、その価値を未知の領域へと引き上げる。【松本航】

 

◆今後のテストマッチ(日本は世界ランク10位)

10月23日 オーストラリア戦(同3位、昭和電工ドーム大分)

11月6日 アイルランド戦(同5位、ダブリン)

13日 ポルトガル戦(同19位、リスボン)

20日 スコットランド戦(同7位、エディンバラ)