東京オリンピック(五輪)日本代表の吉田健人(28=警視庁)が逆転で悲願の初優勝を遂げた。

五輪後、初の実戦となる日本一決定戦。2年連続の決勝で同じく東京五輪代表の徳南堅太(34=デロイトトーマツ)と対戦し、最後は12-14のビハインドから3連続ポイントで試合をひっくり返した。

序盤からリードを許したが、持ち味のスピードを生かした動きに、五輪の課題として出た緩急をつけて一辺倒にならないよう勝負。昨年、準優勝だった借りを史上初の屋外開催会場で返し「全日本ではなかなか勝てなかったので、うれしい」と笑顔を見せた。

東京大会では個人戦が33位、団体は初戦敗退の9位と不完全燃焼に終わった吉田。24年パリ五輪で再起を図る男子サーブル日本代表のエースが、まずは日本一の称号を手にした。

徳南は18年以来3大会ぶり3度目の優勝に王手をかけたが、届かなかった。得意のトリッキーな動きで派手に攻め、2年ぶりの有観客会場を沸かせた。最後の1ポイントを奪った方が勝者となる「一本勝負」では決め打ちで果敢に跳びはねるアタックを仕掛けたが、仕留められずカウンターを浴びた。「今大会が最後になるかもしれない」と話していた中で今後の去就も注目されている。【木下淳、平山連】