中国の女子テニス選手で、全仏、ウィンブルドンでダブルス優勝の実績を持つ彭帥(35)が、同国の張高麗元副首相と不倫関係であったことを公表してから、消息不明となっている問題で、世界のテニス界は騒然となっている。

2日に、彭帥が自身のSNSに性的関係を強要されたとする告発を投稿。その後、世界の女子テニスツアーを統括するWTA(女子テニス協会)は、彭帥と連絡が取れなくなったとして、14日、サイモンWTA会長は「徹底的な公正で透明な調査を求める」と声明を出した。また、ニューヨーク・タイムズ紙に、サイモン会長は「中国協会から彼女は無事。危険にはないという確認を得ている」とも話した。

男子ツアーを統括するATP(プロ男子テニス協会)もWTAの声明に賛同。元女王の大坂なおみ(24)は17日、自身のSNSに「(彭帥の行方不明に)ショックを受けている。無事を祈っている」と投稿。世界王者のジョコビッチ(セルビア)も「とんでもない出来事だ。とにかく無事を祈っている」と話した。

18日には、中国国営メディアで、国際放送「CGTN」が、彭帥がサイモン会長に宛てたメールとされるものを公開。「性的暴行は事実ではなく、自宅で休養している」と書かれている。これを受けて、同会長は「受信したが、これが本人が出したものかどうかは疑わしい」と話したという。

日本女子選手とも何度も対戦し、日本選手からは「ぽんちゃん」の愛称で親しまれていた彭帥。世界のテニス界の誰もが、彼女の無事と、早期の復帰を祈っているに違いない。