Wリーグ新潟ラビッツが今季公式戦初勝利を挙げた。北洋大(北海道)に104-71で大勝した。C菅原絵梨奈(28)が3点シュート4本を含む18得点を奪うなど、チームで3点シュート14本を決めて突き放した。この1勝を開幕から12連敗とトンネルから抜け出せずにいるリーグ戦での浮上のきっかけにする。新潟は28日、ファイナルラウンド進出を懸け、シャンソン化粧品と対戦する。

狙い澄ました菅原のロングショットが次々とリングをとらえた。「左45度は得意な位置。両コーナーからも打った」。第1クオーター(Q)の残り2分26秒で自身1本目の3点シュートを決めると、第3Qまでにチーム最多の4本を成功。3点シュート39本中14本を決めて104点を奪った新潟の攻撃をけん引した。

これが今季の公式戦初勝利。菅原は「リーグ戦では負けが続いているので、プラスになる」。自身の手応えにもなった。リーグ戦の1試合平均の出場時間は約10分、同得点は1・75点、3点シュートの成功率は13・3%と不調だった。長かった髪を20センチほど切って、気分転換を図るなど焦りもあった。大滝和雄監督(76)からコーナーからシュートを打って調整するようにアドバイスを受け「それを意識するうちに感触が良くなっていった」と言う。少しずつ戻ってきた感覚が結果につながった。

大滝監督は「安心して見ていられた」と笑顔を見せた。大学生が相手だが「勝って当たり前、負けるわけがないという気持ちではだめ」と試合前に引き締めた。厳しい守備を最後まで緩めなかった。リーグ戦ではチーム全体で21・5%の成功率だった3点シュートを決め切ったことも大きい。菅原は「この勝利をリーグ戦にもつなげたい」と前を向く。差しかかった光を反転攻勢のきっかけにする。【斎藤慎一郎】