全国高校バスケットボール選手権・ウインター杯(23日開幕=東京体育館ほか)に男子の北越は33年ぶり、女子の新潟中央は8年ぶりに出場する。両校ともまずは1回戦突破に集中。北越は高知中央と、新潟中央は星槎国際湘南(神奈川)と対戦する。得点の稼ぎ頭は北越がSF栗林竜海(3年)で、新潟中央は主将のSF塚田帆風(3年)。スコアを重ねて冬の全国コートでの勝利を狙う。

栗林にとってウインター杯が最初で最後の全国大会になる。5歳からバスケットボール一筋に取り組み、18歳で初めて大舞台のコートにたどり着いた。しかし気負いも、緊張もない。「楽しみ。どこまでやれるか。ワクワクします」。県内の大学進学後は3×3バスケに転向するだけに、今大会はバスケットボールの総決算にもなる。

「みんなで相手を崩して、最後は自分が決めることを意識している」と栗林は役割を自覚している。県予選の決勝リーグは1勝2敗で県の第3代表の座をつかんだ。その3試合の平均得点はチーム最多22・67点。後藤寛史監督(33)は「シュートに迷いがない。ボールも自然と集まる」とエースを評した。

初戦の相手、6年連続7度目出場の高知中央には長身の外国人留学生がいる。栗林は「リバウンドは取りにくい。シュート確率100%のつもりでやりたい」と言う。練習で行う3点シュートの100本シューティングで最多成功は84本。ドライブも鋭い。「全国大会で得点をどんどん取りたい」。栗林のバスケットボール最終章は、チームとしては33年ぶり2度目の大舞台での得点量産だ。【涌井幹雄】

◆栗林竜海(くりばやし・たつみ)2003年(平15)7月30日生まれ、新潟市出身。木戸中出身。バスケットボールは5歳から中地区ミニバスクラブで始める。ポジションはSF。179センチ、67キロ。血液型AB。

<女子の新潟中央は8年ぶり出場>

塚田は接触プレーをいとわない。オフェンスリバウンドに跳び込み、2次攻撃につなげるのが持ち味だ。オフェンスリバウンドには「絶対、負けたくない」と強い思いがある。チームカラーはリバウンドを拾ってからの速攻。関川哲平監督(45)は「塚田がリバウンドを取って周りが走ってくれれば、だいたい勝ちゲーム」と攻撃の起点に期待した。

県予選の決勝リーグは2勝1敗で県の第2代表。3試合で平均2桁得点した選手は3人とバランス良く、加点した。その中で「毎試合20得点を目指している」と言う塚田は平均11・67点をマークもした。

コロナ禍で約1カ月半、全体練習ができなかった。9月3日から2週間は県独自の特別警報で県立校の部活動は休止。その前後には同校に陽性者が出て、それぞれ1週間の休校措置も取られた。中間テストも警報明けに挟み、チーム強化は思い通りにできなかった。

それでも8年ぶり7度目の出場権をつかんだ。夏の総体は初戦郡山商に敗れた(52-55)だけに塚田は「1回戦は勝ちたい」。相手は初出場の星槎国際湘南。夏に届かなかった全国1勝にチーム一丸で挑む。

◆塚田帆風(つかだ・ほのか)2003年(平15)10月21日生まれ、上越市出身。春日中出身で、新潟市で下宿生活を送る。バスケットボールは小2から直江津ヴェールで始める。ポジションはSF。主将。170センチ、63キロ。血液型B。