「津軽魂」で劇的勝利だ! 女子は2年連続16度目の柴田学園(青森)が、熊本商に59-58で競り勝ち、現校名では初の初戦突破を決めた。佐々木杏花(2年)が12得点、14リバウンドでダブルダブル。相馬嘉乃(3年)はチーム最多17得点でけん引した。

   ◇   ◇   ◇

柴田女から男女共学となり、校名を変更して3年目で念願の1勝をつかんだ。試合開始から一進一退の攻防が続き、第4クオーター(Q)残り56秒で逆転を許す。時間は残りわずか。ミスが許されない状況にも選手たちは冷静だった。同24秒で佐々木がゴール下で石田侑真(2年)のパスを受けて値千金の逆転シュートを成功。終了間際に放たれた相手のシュートはリングにはじかれ、勝敗は決した。

相手にリードされたのは第1Q序盤、第2Q終盤、第4Q終盤を含め4度。それ以外は連続得点を許しても、突き放す展開だった。中でも相馬は2点リードの第2Q残り25秒でハーフコート手前から一時逆転の3点シュート(3P)。第3Qはブザービーターで3Pを決めた。「練習通りという言葉だけを頭に入れて、コーチや仲間を信じて戦った」。得点を決めても表情は崩さない。両軍最多3本の3Pを沈め、勝負強さを見せつけた。

2人は津軽中出身で約6年間プレー。相馬は「先輩後輩関係なく、同学年みたいな感じで相談できる仲」と仲の良さを認める。佐々木が決めた殊勲のシュートは「さすが杏花だと思いました(笑い)。中学校からの仲なので信頼していました」と笑顔を見せた。昨年の選手権はケガの影響でベンチ外。自身初の冬舞台を頼れる後輩とともに戦う。

今日24日は小林(宮崎)との2回戦。佐々木は「初戦勝てたのはうれしい。目標はベスト4以上なので次の試合も目標に向かって頑張りたい」と緩みはない。今夏の全国高校総体は東北勢最高の8強。少しでも冬を長くする。【相沢孔志】

◆テレビ放送 男子決勝は12月29日午後1時からテレビ朝日系地上波で、女子決勝は12月28日正午からBS朝日でともに生放送。

◆テレビ放送 男子決勝は12月29日午後1時からテレビ朝日系地上波で、女子決勝は12月28日正午からBS朝日でともに生放送。