2大会連続出場の昌平(埼玉)FB北川拓来(たくる)主将(3年)が“1トライ1アシスト”で2回戦に導いた。初出場の読谷(沖縄)に苦戦しながら15-7で勝利。名前の由来が「タックル」の北川は自らのトライに加え、キックで決勝トライを演出した。30日の2回戦では初の年越しを目指し、2連覇中のAシード桐蔭学園(神奈川)と対戦。チームの課題タックルを修正し、歴史を変える。

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味方防御ラインの後ろに立つ北川は、抜けてきた相手へのタックルを狙っていた。0-7の前半29分、自陣で相手が落球。転がったボールを拾い上げた。「ルーズボールに反応しよう!」。劣勢でそう声をかけてきたからには、捕るしかなかった。入れ違いで前が空き、1人、2人、3人と抜き去った。約80メートル独走トライで反撃が始まった。

次は足で魅了した。同点の後半20分、相手防御裏へ巧みにキック。転がるボールをWTB平塚が押さえて勝ち越した。攻撃で目立った主将だが、拓来(たくる)の名前通り、「タックルする方が得意です」と笑った。

試合前に東京・国学院久我山出身で立大2年の兄、時来(とらい)さんから「2回、花園に出られるのは幸せなこと。頑張れよ」とLINEが入った。父が千葉・専大松戸で花園に出場。4人きょうだいはラグビーをイメージする名前を授かった。弟の築来(きずく)さんはキック、姉の里桜(りお)さんは日本代表のシンボル「桜」が由来という。名前負けしない北川の活躍を、御代田監督は「主将なだけある」とたたえた。

次は2連覇中の桐蔭学園戦。勝利の鍵をタックルとみる。この日は前半10分の失点で流れをつかめず、北川は「相手は強くて、速くて、ミスが少ない。1人目、2人目、3人目までタックルにいかないと、どんどんやられる」と言い切った。初出場だった17年度、自身も経験した前回大会も2回戦で敗退。思いは強い。

「目標は年越し。次の世代に生かすためにも、とにかく歴史をつくりたい」

全員が1つとなり、王者に突き刺さる。【松本航】

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