開志国際(新潟=2大会連続2度目)の花園初勝利はならなかった。尾道(広島=15大会連続16度目)に5-35で敗れた。前半は相手の攻守の速さに圧倒され、4トライ4ゴールで28失点。後半は7失点に抑えて粘ると、24分に1年生のWTB星遥大が自陣からの独走でトライを奪って一矢報いた。

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チーム全員の思いを背負って、1年生の星がインゴールに走り込んだ。右中間にトライをすると駆け寄ったWTB星野雅空(2年)と抱き合う。後半24分、自陣22メートルラインの手前で相手のパスをインターセプト。「相手は飛ばすパスが多かったので、前半から狙っていた」。読み通りのプレーから約70メートルを一気に駆け抜けた。

大差の敗戦。星にも満足感はない。「県と全国のレベルの違いを感じた」と言う。一方で手応えもあった。「自分の得意な守備からのトライ。これを継続したい」。大分東明に5-57で敗れた前回大会1回戦、試合終了前に当時1年生の星野が唯一のトライを決め、意地をみせた。昨年に続いて全国の壁にはね返されたが、次代につながるトライは今年も刻んだ。

「今後のうちにとって大きなトライだった」と高橋昌徳監督(42)は振り返る。攻守で鋭い出足をみせる尾道に立ち上がりから主導権を握られた。それでも諦めなかった。試合終了間際には左右に展開する攻撃を繰り返し、2本目のトライを果敢に狙った。CTB阿部太祐主将(3年)は「もっとボールを触っていたかった。最後に自分たちの形ができた」と表情を緩めた。

開志国際のラグビーをやり続けた先にあるのが、花園1勝。そんな実感は得た。「来年もここに戻ってくる。そして初勝利、ベスト8を目指す」。星の力強い言葉がこの大会の収穫を表していた。【斎藤慎一郎】

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