新潟明訓がV2を決めた。新潟商に2-1で逆転勝ち。0-1で迎えた中堅戦で佐藤文輝主将(2年)が1-1で振りだしに戻し、副将戦で渡辺義弘(2年)が2本を奪って勝ち越し、全国選抜大会(3月=愛知)の出場切符を手にした。

新潟明訓・玉虫一憲監督(44)の決勝前の「カツ」が魔法のように効いた。準決勝は新潟南に1-0のヒヤヒヤ勝利。「内容は0点くらい」と決勝に臨むメンバーに闘志を注入した。「相手にぶつかっていけ。絶対に下がるな」。そんなキツい言葉に選手は奮い立った。1-1からの副将戦で2本勝ちし、逆転勝利の立役者になった渡辺は「引き締まった。ひとつになれた」と玉虫監督の言葉の効果を話した。

新潟商との決勝は先鋒(せんぽう)が引き分け、次鋒戦は落とし0-1。中堅の佐藤主将が試合に立つ前には玉虫監督の“ささやき作戦”が功を奏した。「『お前がやるしかない』と言われた」と明かした佐藤主将。小手を決めて勝ち、試合の流れを引き戻した。8強止まりだった8日の個人戦準々決勝で敗れていた長谷川秀馬(新潟商2年)に大事な団体戦で雪辱も同時に果たしてみせた。

1-1で迎えた副将戦。玉虫監督は渡辺にも声をかけていた。「(得意な)抜き胴を狙っていけ、と言ったら本当にやってくれた」と驚きをまじえ話した。「胴」を奪った渡辺は「面」も決め、一気に優位な展開に持ち込んだ。大将・笠原光騎(1年)の相手は個人戦チャンプの角田悠(新潟商2年)だったが、引き分けに持ち込み、役目を果たした。「お前たち、すごいよ」。V2を決めたメンバーの輪に向かい、玉虫監督が掛けた言葉だった。【涌井幹雄】