昨年末のフィギュアスケート全日本選手権で3大会ぶり2度目の優勝を遂げ、女子で2大会連続となる北京オリンピック(五輪)代表に決まった坂本花織(21=シスメックス)が11日、神戸市内で行った練習を公開した。

午前8時30分から約1時間、フリー曲のステップやジャンプ、技のつなぎの部分を入念に確認。「夜は動くんですけど、朝は動かなくて…」と苦笑いしたように、得意の3回転ループが抜ける場面もあり、中野園子、グレアム充子の両コーチから厳しく指導される場面もオープンにした。

3回転ルッツやジャンプに入るコース、スピンの手の動きなどの練習を重ねた後の取材対応では「(両師に)ダブルパンチの時もあります」と、真剣な表情とは打って変わって満面の笑み。中野コーチから「この4年間、何度も意見をかわして一緒に闘ってきました。戦友」と自身を評されたことを聞くと「戦友は、ちゃうかな…。ママですね、厳しめのママ。でも2人のおかげでここまで来られました」と底抜けの明るさだった。

来月4日に開幕する2度目の大舞台に向けては、再び引き締めた。「個人では平昌(18年五輪、6位)より上に、団体戦では本当にメダル獲得のチャンスがあると思うので、出られれば貢献したい。全日本で優勝して最初に内定をもらった責任がある。選ばれてビックリして、ただ(出場を)喜んでいた4年前とは違う気持ち。チームジャパンのみんなでベストを尽くせれば」と抱負を語った。

4年前は極度の緊張から急性胃腸炎にもなったが「あれを17歳で経験できたのは大きい。今は、とにかく楽しみです」と五輪を心待ちにしていた。【木下淳】