男子テニスの世界王者ノバク・ジョコビッチ(34=セルビア)が、ついに新型コロナウイルスのワクチン接種を決めたと英ザ・サン紙の米国電子版が報じた。ジョコビッチの伝記を執筆した作家のダニエル・ムクシュ氏が明かしたもので、自身がワクチン未接種を理由に強制送還されたオーストラリアで開催された全豪オープンでラファエル・ナダル(35=スペイン)が優勝したことが引き金になったと伝えている。接種予定時期などは不明。

新型コロナワクチンの接種を拒否したことで全豪出場が認められなかったジョコビッチは、出場していれば前人未到の4大大会(グランドスラム)最多の通算21勝目を手にする可能性があった。しかし、自身の欠場によって宿敵のナダルが一足先に21度目のグランドスラム制覇を成し遂げたことが、「ジョコビッチをワクチン接種に駆り立てたのは間違いない」と同氏は語ったという。ワクチン未接種のジョコビッチは、今後の4大大会に出場できない可能性が取り沙汰されており、これ以上ライバルに負けたくないという思いが接種を決意させたとみられる。

ジョコビッチは今季初戦として今月21日に開幕するドバイ選手権に出場することが発表されている。早急にワクチンを接種すれば3月7日に米カリフォルニア州インディアンウェルズで開催されるBNPパリバ・オープンへの出場も実現する可能性が出てくる。(ロサンゼルス=千歳香奈子)