雄物川(秋田)の絶対的エースが関東で羽ばたく。1月の全日本高校選手権(春高バレー)でチームを秋田県勢最高成績タイの4強に導いた石塚蓮(18)が、来春から関東大学2部リーグの山梨学院大に進学することがわかった。石塚は、関東大学1部リーグ昇格への貢献と、地元秋田でバレーボール部監督になる夢を実現するため、教員免許取得を目標に掲げた。

「楽しく上を目指してバレーをやりたい」。石塚はその思いを実現する場として山梨学院大を選んだ。同大・三井勇監督の「(関東大学)1部の1位を目指す」という言葉に心をつかまれた。「監督の話にグッときて、この指導者の方に教わりたいと感じました」。

同大は関東大学2部リーグで今秋、6勝5敗の6位。今後倒していかなくてはならない多くの強敵に心が躍った。石塚は「まずは1部に上がることが目標。上がったところで終わらず、上でも勝てるように頑張っていきたいです」と新天地での活躍を誓った。

1月の春高バレーを終えた今は“2つの改造”に取り組んでいる。まずは肉体改造だ。「大学で即戦力として戦うために、この空いた期間で技術や筋力を落とさないように意識しています」。コロナ禍で体育館での練習は困難となったが、通っているジムでのトレーニングで空き時間を有効活用。まずは筋力から大学で戦える土台を作っていく。そして、部屋の改造にも凝っている。「自分の部屋に足りないものを買ったり、作ったりしています」。部品を購入して、棚やウォールシェルフを作るなど、気分転換を兼ねて楽しんでいる。

大学では教員免許取得も目指す。「生徒と真正面に向き合うような教員になりたい」。理想像は母校の横手明峰中・赤川一徳監督、雄物川・宇佐美大輔監督のような「バレーに熱い教員」だ。4年間で選手、そして、人として成長を遂げ、生まれ育った秋田の地で教壇に立つ夢を描いている。関東大学1部リーグ昇格&優勝、さらに、秋田のバレーボールシーンに携わるため、恩師の背中を日々追いかけていく。【濱本神威】

◆石塚蓮(いしづか・れん)2003年(平15)10月28日生まれ、秋田県横手市出身。中学1年からバレーを始め、雄物川では1年からレギュラー入りし、3度のインターハイ、春高バレーを経験。186センチ、74キロ。家族は、祖父、祖母父、母。