仙台大職員の佐々木琢磨(28)が、来月1日からブラジルのカシアス・ド・スルで開幕する、第24回夏季デフリンピックに出場する。

佐々木は、17年のデフリンピックでは400メートルリレーで金メダル獲得に貢献。昨年8月にポーランドのルブリンで開催された第4回世界デフ陸上では、100メートルで10秒67をマークして銀メダルを獲得。同種目では日本人初のメダル獲得となった。今大会は、100メートル、200メートル、400メートルリレー、1600メートルリレーの4種目に出場予定だ。

日本人初の快挙だったが佐々木は「負けてから今まで、ずっと頭の中に悔しさが残っています」と振り返る。絶好調で臨んだ決勝。敗れたのはノーマークのエストニアの選手だった。「ゴールした瞬間『俺は1位じゃない、2位だと分かった。負けたんだ』と悔しい思いになりました」。エストニアの選手が優勝の雄たけびを上げるシーンは今でもフラッシュバックする時がある。約8カ月、その悔しさをバネに練習に取り組んできた。佐々木は「デフリンピックで世界1位、金メダルを取ることが目標です」と力強く語った。

仙台大在学中の13年に初出場を果たしたデフリンピックは今年で3回目。リベンジに燃える佐々木は、「100%でなく120%の、勝ちたいという気持ちを持っています。爆発しそうなほど強い気持ちです」。目標の頂点へ。誰よりも先にゴールテープを切る。【濱本神威】

◆デフリンピック 4年に1度、世界規模で行われる聴覚障がい者のための総合スポーツ競技大会。陸上では、トラック競技のスタート時にピストルではなく、光の色で出走を合図するスタートランプを使用するなど、すべての情報が視覚的に確認できるような工夫が施されている。