15年に54歳で亡くなった斉藤仁さんの次男、立(たつる、20=国士舘大)が初優勝した。親子2代で全日本制覇は史上初。191センチ、165キロの有望な体格を生かし、決勝では21年世界選手権優勝の影浦心(26=日本中央競馬会)との14分超に及ぶ死闘を制した。

準決勝では東京五輪100キロ超級5位の原沢久喜(29)に快勝。84年ロサンゼルス、88年ソウル五輪の男子95キロ超級2連覇した父を追って、夢の24年パリ五輪へ1歩を刻んだ。10月の世界選手権(タシケント)100キロ超級代表にも選ばれた。

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<斉藤立(さいとう・たつる)>

◆生まれ 2002年(平14)3月8日、大阪府。

◆柔道歴 5歳で始め、小中高すべて日本一。国士舘高3年時に全日本選手権初出場も3回戦敗退。国士舘大2年の昨年11月、グランドスラム(GS)バクーで金メダル。シニア国際大会初優勝。今月3日の全日本選抜体重別は準決勝で両者反則負けの3位。

◆体重 この日の取材で体が締まったように見えるが、と確認されると「ありがとうございまーす!」と姿勢を正して一礼。実際は公称より5キロ多い165キロ。

◆食事 「胃が小さくなった」ため、ご飯は1食で3合に。以前は5合。肉より野菜好きで、食べ放題しゃぶしゃぶチェーン店では約20種類の野菜を全メニュー計10人前、食べ尽くす。

◆サイズ 服は5XLで靴は35センチ。市販品がないためナイキでカスタムする。

◆家族 母三恵子さんと兄一郎さん。3歳上の兄も国士舘中、高で柔道部。