昨年の覇者で、4大大会20度の優勝を誇るノバク・ジョコビッチ(35=セルビア)が、5大会連続13度目のベスト8進出を決めた。

同104位のファンライトベン(オランダ)に1セットを奪われたが、6-2、4-6、6-1、6-2で勝ち、「タフな試合だった。相手になれるのが大変だったけど、最後はとてもいいプレーができた」と話した。

この1勝で、ジョコビッチは18年大会(20年大会は新型コロナの影響で開催中止)からウィンブルドン負けなしの25連勝を達成。68年オープン化(プロ解禁)以降では、サンプラスに並んで歴代4番目の長さとなった。準々決勝では同13位で第10シードのヤニク・シナー(イタリア)と対戦する。

世界王者のメドベージェフらは、ウクライナ侵攻に抗議する大会主催者によって、出場を禁止された。世界2位のA・ズベレフ(ドイツ)は、全仏準決勝で右足首の靱帯(じんたい)を損傷し欠場。同3位のジョコビッチが第1シードとなった。

今大会に優勝すれば、4大大会21度目の優勝で、大会4連覇。7度目の優勝は、レンショー(英国)、サンプラス(米国)と並んで歴代2番目の多さだ。しかし、全く世界ランキングには反映されない。

今大会は、主催者であるオールイングランド・テニスクラブが、ウクライナに侵攻したロシアと、それを支援したベラルーシの選手の出場を認めず。その決定に抗議し、男女のツアーを運営するプロテニス協会(ATP)と女子テニス協会(WTA)が、世界ランキングのポイントを大会に付与していない。

今年の1月の全豪では、新型コロナのワクチン接種をめぐって国外退去となり、出場できなかった。全豪も今大会も、前年に優勝しているため、世界ランキングのポイント、計4000点が、そっくりなくなる。今大会に優勝しても、11日の最新世界ランキングでは7位にまで転落することが決まっている。

加えて、8月29日から開幕する全米は、米国が入国にワクチン接種を義務づけているため「今のところ欠場しかない」。昨年は準優勝で、稼いだポイントは1200点。これも消滅するだけで加点がなければ、トップ10陥落も現実味を帯びてくる。まずは今大会の優勝で、世界的な名誉と高額賞金だけでも手に入れたい。

◆ウィンブルドンテニスは、6月27日から7月10日まで、WOWOWで全日生放送。WOWOWオンデマンドで最大10コートがライブ配信される。