競泳男子で五輪(オリンピック)2大会連続2冠に輝き、国際プロリーグに参戦する「東京フロッグキングス」のゼネラルマネジャー(GM)を務める北島康介氏(39)が、新たなプロジェクトへの期待感をにじませた。

7日、都内で「TOKYO UNITE」始動の記者会見に出席。東京をホームタウンとする14のスポーツチーム(団体)が競技の垣根を越えて協力し、発展やブランディング向上を目指す取り組みとなる。プロ野球の巨人などの協力を得ながら、水泳、野球、大相撲、サッカー、ラグビー、バスケットボール、卓球と7つの競技のチーム・団体が参加。21年12月に最初のミーティングを行い、議論を活発にしてきたという。

この日、14チーム(団体)の代表者が一堂に会し、北島氏は「歴史、伝統あるチームがたくさんある中で、フラットな視点で意見交換しながら発足でき、感謝しています。大きな可能性があり、自分自身も、どのように成長するのか、まだまだ想像できない。ただ、その分、期待感しかない。モデルケースになって、全国、世界に広がっていけばいいなと思います」と気持ちを高ぶらせた。

今後の活動はチーム同士でのコラボレーション、共同でのプロモーション、グッズ開発などを予定し、子どもたちがスポーツに取り組める環境の拡大など、社会課題とも向き合うという。来賓で出席した東京都の小池百合子知事(69)は「東京のスポーツチームがブランド力を高め、社会課題に向き合い、未来の子どもたちのために取り組んでいく。大変心強く思います」と期待を込めた。

◆参加チーム(団体)と代表者のコメント

◇東京フロッグキングス(水泳)=北島康介GM

「子どもたちがスポーツをする場が減ってきている。どんなスポーツでもいいので、体験できる機会を提供していきたい」

◇日本相撲協会(大相撲)=八角信芳理事長

「この取り組みが東京の活性化につながり、国民の皆さまの幸せにつながることを目指したい」

◇読売巨人軍(野球)=山口寿一オーナー

「ファンの皆さまの応援や激励なしに発展はない。東京をもっと魅力ある街にしたい」

◇FC東京(サッカー)=川岸滋也社長

「コロナ禍で活動は停滞を余儀なくされ、スタジアムへのファン、サポーターの足も遠のいた。このタイミングで発足したことは必然であったかなと思う。スポーツの力は、あらためて大きな物と感じている」

◇アルバルク東京(バスケットボール)=林邦彦社長

「東京は非常に可能性のある場。長い間スポーツを通して築いた歴史、文化、発信力を1つのエナジーにかえて、それぞれのスポーツ団体の垣根を越えたシーンを作っていきたい」

◇東芝ブレイブルーパス(ラグビー)=荒岡義和社長

「ラグビークラブなのでラグビークラブらしく『ワンチーム』の精神を持って、プロジェクトの大成功に寄与したい」

◇ヤクルト(野球)=衣笠剛社長兼オーナー代行

「東京からみんなで力を合わせ、スポーツの力を発信し、スポーツを楽しむ環境、機会の拡大に取り組んでいきたい」

◇リコーブラックラムズ東京(ラグビー)=西辻勤GM

「ラグビーには『ノーサイドの精神』がある。フィールド上では勝ち負けを争うライバル。1歩外に出れば、1つの目標へ力を合わせる。子どもたちに見本になる、素晴らしいことだと思う」

◇東京ヴェルディ、日テレ・東京ヴェルディベレーザ(サッカー)=中村考昭社長

「我々は男女のチームを持ち、ジェンダーの枠も越えたチーム。皆さまとともに実現させたい」

◇東京サントリーサンゴリアス(ラグビー)=田中澄憲GM

「世界的に見ても首都の都市には、歴史ある名門クラブが多く拠点を構えている。皆さんも各競技を代表する存在。スポーツを通して東京から、感動やエネルギーを伝える活動をしていきたい」

◇FC町田ゼルビア(サッカー)=大友健寿社長

「ゼルビアはジュニアの子どもたちのチームで始まり、最後に大人のクラブができた。この取り組みにも微力ではあるが、協力できればと思う」

◇サンロッカーズ渋谷(バスケットボール)=浦長瀬正一代表取締役

「競技団体の皆さまとともに、渋谷から、東京全体から、これまでになかった新たな機会をつくって、発信していきたい」

◇木下マイスター東京(卓球)=川村卓也社長

「さまざまな競技のプロチームが連携することで、チームのファンが他の競技にも興味をもっていただく。新たなスポーツ観戦の流れが出て、東京全体が盛り上がることを期待している」