日本(世界ランク10位)がフランス(同3位)からの歴史的初勝利を逃した。過去1分け10敗の強敵を追い詰めたが、あと1歩及ばなかった。

フッカー坂手淳史主将(29=埼玉)は「悔しいです。5万7000人の方に入っていただいて『特別な日にしよう』と試合に臨んだ。少し及ばない点があった。最後のトライを取り切るところ、ディテールが足りなかった」とかみしめた。

8年ぶりに国立に戻った日本が、大観衆の前で躍動した。7点を追う前半12分、左サイドを突破するとFB山中亮平(神戸)が反撃のトライ。2点を追う同19分、SO李承信(神戸)のPGで逆転した。

1点リードの同40分にはフランカーのリーチ・マイケル(BL東京)が左ライン際を激走し、最後はサポートについたFB山中が2本目のトライ。前半を15-7と最高の形で折り返した。

後半は2本のPGとトライで5点のビハインドに追い込まれた。35分には途中出場のテビタ・タタフ(東京SG)の力強い突進でトライかと思われたが、ビデオ判定でノックオン。あと1歩で金星に届かなかった。

日本代表は春から夏にかけての活動を終え、秋にはイングランド(同6位)、フランスと戦う欧州遠征を控える。坂手は「もっと努力して、勝てるチームを作って、次の遠征に向かいたい」と誓った。【松本航】