若手のホープ奈良岡功大(21=IMG)が、初出場の世界選手権で白星発進した。世界ランキング31位の新鋭は、同98位のウクライナ選手に21-12、21-17のストレートで快勝。「すごく緊張したけれど、緊張に負けず、自分らしいプレーをすることができた」。安堵(あんど)の笑顔を見せた。

第1ゲーム、第2ゲームとも序盤に先行されるシーンもあったが、慌てることなく対応。「風があって難しかったが、相手のスマッシュをうまく取れた」とうなずいた。

早くから将来を嘱望されてきた逸材。しかし高校を卒業するころからコロナ禍が深刻化し、国際大会が相次いで中止に。世界ランキングは長らく50位前後にとどまった。「もう少し早くランキング上位に行きたかった。そこは僕のせいではなくコロナのせい。絶対にそう」と語気を強めたこともある。

ようやく国際ツアーを回れるようになると、それまでの鬱憤を晴らすように存在感を発揮。7月には2つの国際大会で連続準優勝となるなど、勢いは十分だ。

今大会は繰り上がりでの出場となる。正式に通知が届いたのは今月上旬だが、「試合があるつもりで準備してきた。ドロー(組あわせ)が出てからは意識が強くなった」。満を持して臨む大舞台。これまでの鬱憤(うっぷん)を晴らすべく、パリ五輪の期待の星が大暴れする。【奥岡幹浩】

◆奈良岡功大(ならおか・こうだい)2001年(平13)6月30日、青森県生まれ。IMG所属、日大在学中。5歳のとき父浩さんが監督を務めていた浪岡ジュニアバドミントンクラブで競技を始める。浪岡中時代に史上初の全国中学校大会3連覇を達成。浪岡高では全日本総合選手権で史上最年少勝利を挙げた。18年ユース五輪で男子シングルスで日本勢初の銅メダル。右利き。174センチ。