関東学生アメリカンフットボールの最上位リーグ1部TOP8が3日、東京ドームで開幕した。

通常なら日本一を決める日本選手権、ライスボウルの時だけ使用される聖地。関東学生連盟主催試合としては1995年の関東大学選手権決勝(法大58-0専大)以来27年ぶり。1部リーグのリーグ戦に限ると1992以来30年ぶりとなった。

普段は東京・調布市のアミノバイタルフィールドなどで行われるリーグ戦が、なぜ東京ドームになったのか。連盟の専務理事、関根恒さんに聞いた。

まだ夏の暑さが残る9月にリーグ戦は始まる。「2時間半にも及ぶ試合を日中にするのは危険」と酷暑対策を考えていた。そのため、当初は今月1日(木)から4日(日)まで各日1試合をナイトゲームで実施する予定だった。しかし室内なら選手の熱中症対策にもなり、さらに一日中試合をできることから東京ドームの案を出した。

すると東京ドーム側も快諾。今年3月にリニューアルされた新ビジョンをアメフトで使用したことがなかったので「来年1月のライスボウル前に試したい」と考えていたこともあり、今回の開催に至ったのだ。

開幕まで1カ月を切った先月10日にドーム開催を発表し、大きなチャレンジがスタートした。「コロナ禍で試合や練習が満足にできなかった学生にいつもとは違った、成長できる大きなフィールドを用意してあげたかった」。関根さんの思いが実現した。

法大4年時の94年に同じ東京ドームで行われたパルサーボウル(関東王者決定戦)で優勝した法大の富永一ヘッドコーチは「もっと緊張するかなと思ったけど、コーチ陣にドームの経験者が多かったので、前回生まれていない学生たちにドームの情報を伝えられた。お久しぶりで懐かしかったですね。風や雨の影響を受けないので、いい結果になって良かった」と学生時代を回顧しながら話した。

早稲田のOL亀井理陽(4年)は早実時代、野球部で1年先輩の清宮幸太郎(日本ハム)とともに自身は控え捕手として2年春に甲子園メンバー入り。東京ドームは長年の憧れだ。「今はアメフトで出られてうれしい。ここから日本一を目指したい」と笑顔だった。

この日は第1試合から1600人を超える観客が試合を見守った。「まじですごい!」と大興奮で控室に入っていく学生も。学生アメフトにとって大きな1歩になった。【星夏穂】