昨夏の東京五輪で金、銀、銅メダルを獲得した伊藤美誠(21=スターツ)が、24年パリ五輪選考会で初優勝を飾った。東京五輪代表でともに戦った石川佳純(全農)を4-0で下した。

第1ゲームを11-4で制すと、第2ゲームも11-6で連取。第3ゲームは6-8から巻き返して11-8、第4ゲームも11-8で振り切った。冷静な表情で優勝を受け止めた伊藤は「挑戦者の気持ちで、自分の力を確かめる場所というので戦いました」と振り返った。

今大会は24年パリ五輪シングルス代表選考ポイントの対象となっている。選考ポイント対象2大会を終えて、伊藤は合計35点で5番手と出遅れていた。代表レースは24年1月まで続くが、獲得ポイントが大きい23年世界選手権(優勝=200点)の代表権をつかむためには、早期のポイント積み上げが必要となる。

今大会で50点を加え、合計85点で早田ひな(115点)に次ぐ2位に浮上。大切な戦いで本領を発揮し「本当に1大会1大会で(選考レースは)がらっと変わる。さらに気を引き締めて、さらに上を目指したいです」と先を見据えた。

◆パリ五輪シングルス代表選考 対象は22年1月の全日本選手権終了翌日から24年1月の同選手権終了日。日本協会は世界選手権など国際大会、計6度の国内選考会、Tリーグなどにポイントを設定し、2年間の獲得ポイント上位2人をシングルス代表に選出する。国内選考会は22年が優勝50点、23年が同100点となるなど、各大会、来季のポイントが高く設定されている。一方、国際卓球連盟(ITTF)は7月にパリ五輪の予選方式を発表。団体の出場枠を獲得したチームに関し、24年6月18日付の世界ランク各チーム上位2人が五輪出場資格を得る旨を記載。日本協会はITTFへ質問状を送っている。