世界女王のイガ・シフィオンテク(21)が、男女を通じてポーランド選手初の全米優勝を成し遂げた。同5位で、こちらもアフリカ勢初の大会優勝に挑んだオンス・ジャブール(28=チュニジア)に6-2、7-6で勝ち、20、22年全仏に次ぐ通算3度目の4大大会優勝を達成した。

2度目のマッチポイントを決めると、シフィオンテクは、コート上に崩れ落ち、両手で顔を覆った。ポーランド選手の初優勝に、「知らなかった。本当にすごいこと」と、最高の笑顔を見せた。

今年2月のカタールオープンから、7月のウィンブルドン3回戦で敗れるまで、21世紀最多37連勝の快進撃を見せた。その中に、2度目の全仏優勝も含まれ、クレー(土)コートでは、強さに絶対的な自信を見せた。

しかし、夏のハードコートシーズンに入り、全米前哨戦2大会で2勝2敗。ともに3回戦進出が最高成績だった。世界女王として勝たなくてはいけない重圧に、向かってくる相手に受け身に回った。この日も、第2セット4-2リードから、ほとんど守備一辺倒で追いつかれた。

それでも、自らを奮い立たせ、その重圧に勝った。「全仏に勝ってから、ここで勝つのは挑戦だった。優勝できて信じられない」。全仏以外の4大大会に優勝することで、絶対的な女王に向け、シフィオンテクがひとつの関門を超えた。

◆全米オープンテニスは、8月29日から9月12日まで、WOWOWで全日生放送。WOWOWオンデマンドでも全コートでライブ配信される。