東京五輪銀メダルの五十嵐カノア(24=木下グループ)が、圧倒的な力で初の世界一に輝いた。国際サーフィン連盟(ISA)主催の「世界選手権」で1回戦から決勝までの7ヒートすべてを1位通過する完全優勝。日本を初の団体戦優勝に導き、24年パリ五輪の金メダルに弾みをつけた。

カリフォルニアで生まれ育った五十嵐にとって、ここは「ホーム」。団体優勝国には1カ国男女各2人の個人とは別に国に出場枠が与えられるため、大会前から「最大の目標はチームの優勝」と話していた。言葉通りに波の状態や特性などを伝えてチームの好成績に貢献。国別優勝を決めて目標を達成し「個人優勝はボーナス」と笑った。

プロ最高峰のチャンピオンシップツアー(CT)では、今月行われた上位5人による最終戦に出場。年間タイトルにこそ届かなかったが、安定した強さは健在だ。「五輪の金メダルで、多くの日本人にサーフィンを見てほしい」という夢に向け、大きく前進した。