名刺代わりの活躍で「白星発進」を決めた。東地区福島ファイヤーボンズが西地区佐賀バルーナーズに84-77で逆転勝ち。B1から移籍したグレゴリー・エチェニケ(31)、ジョシュ・ハレルソン(33)が2桁得点と2桁リバウンドの「ダブルダブル」でけん引した。前日9月30日に40歳の誕生日を迎えた佐野公俊ヘッドコーチ(HC)に初勝利をプレゼントした。

紫に染まるホームを沸かせた。3点を追う第3クオーター(Q)残り2分。B1渋谷SRから加入したハレルソンが同点の3点シュート(3P)を決め、直後にフリースロー2本を獲得。2本目は外したが、エチェニケのリバウンドからセカンドチャンスでダメを押す3Pを成功した。チームは8連続得点で相手を突き放し、最後まで逆転を許さなかった。チーム最多20得点17リバウンドのハレルソンは「いいプレーをすればファンの歓声でエナジーをもらえる。今日は楽しかった」とブースターの後押しに感謝した。

この日、18得点11リバウンドでMVPのエチェニケはB1広島から加入。「リバウンドやゴール下のシュートを決めてチームメートを助けることが僕の役割」と自覚し、フィールドゴールは6本中6本成功で精度の高さを見せた。佐野HCは「新加入の外国籍2人には今後も期待が大きい。彼らの良さをもっと引き出せるようにやっていければ」と評価した。

昨季は東地区3位でクラブ初のプレーオフ進出を果たしたが、クオーターファイナルで仙台に敗れ、B1昇格を逃した。飛躍を期す今季はスローガンに「REPAINT(塗り替える)」を掲げ、再出発した。初陣を飾った指揮官は「40歳をいいスタートで切れたのでこのままチームもいいスタートを切って目標に向かって走っていきたい」。クラブ創設から節目の10年目。ブースターとクラブの夢の実現へ、歴史を塗り替える大きな1歩を踏み出した。【相沢孔志】