フィギュアスケート男子で、シニア本格参戦1年目の三浦佳生(17=オリエンタルバイオ/目黒日大高)が、日米欧3地域対抗戦「ジャパンオープン」(10月8日、さいたまスーパーアリーナ)に代替出場することが決まった。

北京オリンピック(五輪)銀メダルの鍵山優真(オリエンタルバイオ/中京大)が左足首の負傷で欠場。ジュニアからの飛び級ながら今年1月の4大陸選手権で3位と健闘した三浦に白羽の矢が立った。

スクランブル登板を受けて、意気込みをツイート。「ジャパンオープンに出場することになりました。優真からも連絡もらったので今の自分の最高の演技を頑張ります!」と力こぶの絵文字を添えた。盟友からのエールにモチベーションも上がらないわけがない。

2日に幕を閉じた東京選手権は合計232.39点の2位だった。フリーでは冒頭からトリプルアクセル(3回転半)、4回転-3回転の2連続トーループ、4回転サルコーまで出来栄え点(GOE)プラスで成功したものの、後半は4回転トーループ転倒で壁に激突するなど、体力不足を露呈した。

課題があふれ出た直後のジャパンオープン出場。高ぶるものがある。

今月はグランプリ(GP)シリーズに連続出場。第1戦スケートアメリカ(10月21~23日、ノーウッド)と第2戦スケートカナダ(10月28~30日、ミシサガ)を転戦する。

すなわち10月だけで4試合。東京ブロックから5週で4戦という過酷スケジュールになったが、この17歳には成長の糧でしかない。体力向上が鍵を握る中、東京選手権でも闘志を燃やしていた。

「GPシリーズは表彰台を狙いたい。自分の演技を見せて『追いつけ追い抜け』で食らいつきたい。せっかく(第1戦で鍵山)優真と(第2戦で宇野)昌磨くんとかぶっているので、先輩たちの背中を見ながら、自分の良さを海外で見せられたらと思います」

フリー曲を「オペラ座の怪人」から「美女と野獣」に変更したばかりでもあり「プログラムとか、どんどんシーズンを重ねるごとに仕込まれていくような演技を目指している」中で連戦は望むところでもある。

ジャパンオープン出場を受け、ツイッターでは「佳生くん」がトレンド入り。期待にも応えたい。きつくても、シニア実質初年度に飛躍のチャンスが舞い込んだととらえ、未知なる連戦へ立ち向かう。

ジャパンオープンは日本と北米、欧州の3地域が1チーム男女各2人の団体戦形式で合計点を競う。ショートプログラム(SP)は実施せず、フリーだけ。今年の日本は宇野昌磨、坂本花織、紀平梨花が出場するだけに、三浦も日本を代表するスケーターの覚悟を持って氷に立つ。【木下淳】