車輪で滑るインラインスケートの国際大会「ワールド・スケート・ゲームズ」(10月24日~11月13日、アルゼンチン)で、2つのメダル(銀1・銅1)を獲得した明賀芽泉(みょうが・めい、静岡安東中1年)がこのほど、日刊スポーツ静岡版の取材に応じた。自身初の日本代表として「ローラー・フリースタイル」女子部門の3種目に出場。パーク2位、ストリート3位、バート5位の成績を残し、世界のプロアスリートを相手に存在感を示した。

「メダルが取れてうれしい。優勝はできなかったが、世界レベルを肌で感じて良い経験になった」と振り返った。パーク競技(参加24人)の予選は7位通過。25分後に迫る決勝を前に、メダルを狙いに技の難易度を上げて順番も変更した。「後悔したくないから思い切って挑戦してみた」と決断した結果、ミスのない攻撃的な滑りで、銀メダルに輝いた。表彰台から日の丸を眺め「代表として力を発揮できた」と実感を込めた。現役世界王者で代表コーチも務める安床武士(やすとこ・たけし、36)からは「彼女の適応力と集中力はすごかった。世界を知って視野が広がったと思う。今後も競技を楽しみながら、高みを目指して頑張って欲しい」と評価された。

約3週間の海外生活で異文化も体験。南米特産のマテ茶のショッピングや放牧の羊とも触れ合った。日本で見守った母牧子さんは「毎日メールをもらい安心しましたが、後半は音信不通。現地が楽しかったようです」と苦笑い。明賀は「もっと海外の選手とコミュニケーションを取りたかった。世界で戦うためにも、今後は英会話も勉強していきたい」と意欲を示した。

来月の全日本選手権に出場する明賀は「技の精度を上げて、次は金メダルを取りたい」と力を込めた。静岡から世界へ。夢への挑戦が始まった。【山口昌久】

◆明賀芽泉(みょうが・めい)2009年(平21)11月26日、新潟県生まれ。小学校入学時に静岡市へ引っ越す。安東小-安東中。2019年全日本選手権パーク女子2位、20年同オンライン女子2位。好物はみそ汁とハンバーグ。好きな芸能人は山崎賢人。家族は父と母。158センチ、血液型AB。