8連勝で新年を迎える。Vリーグ2部(V2)アランマーレ山形は3、4日、山形県総合運動公園総合体育館でブレス浜松、ルートインホテルズと対戦する。チームは開幕6連勝中。ホームで応援を受け、連勝で22年のリーグ戦を締めくくりたい。セッターに転向した在籍2年目、長尾のどか(24)は、昨季退団した同期への思いを胸に、全日本バレーボール大学選手権(インカレ)に参戦中の後輩に負けない活躍を誓った。

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長尾が「セッター」として会場を魅了する。昨季はリベロで起用されたが、今季は北原勉監督(42)の提案もあり、東海大時代の主戦場であるセッターに転向。5試合でスパイカーにボールを供給してきた。11月26日は強豪・群馬銀行にストレート勝ちし、開幕6連勝で迎えるホーム戦でさらに連勝を伸ばしたい。「勝った後の試合はすごく大事になる。ホームの力を借りながら一緒にシップメイトの皆さんと戦えたら」と力を込めた。

チームは昨季の超攻撃型からパワーアップした超々攻撃型を掲げており、セッターの役割は重要。大学以来のポジションで「感覚を取り戻すのが大変だった」と振り返るが、立ち止まってはいられない。試合途中での起用が多く「流れが悪い時、流れを変えたい時に出ることが多い。相手の状況を見ながら、スパイカーの良さを引き出せるようにしたい」と意欲を見せた。

苦しくても頑張れる理由がある。20年、大学4年でインカレ準優勝。21年に同大の同期・原田栞里さんとアランマーレ山形に入団した。だが、得点源として活躍した原田さんは昨季で現役を引退し、チームを退団。「原田選手に支えられることも多かったので…。正直、もう一緒にできない寂しさもあった」と長尾。それでも自分には使命がある。「バレーボールで何か前向きな気持ちを伝えたい思いがある。(原田さんが)いない分、大学からやってきたことを踏まえて、私ができることはしっかりやりたい」。

東海大は昨年のインカレで優勝。3、4日にはインカレ準決勝、決勝が行われる。「一緒にやってきたチームメートで後輩ですが『頑張らなきゃ、負けていられない』という気持ちをもらえる」。必ず連勝のニュースを後輩に届ける。【相沢孔志】

アランマーレ秋田・佐藤ひかる(28=親交がある長尾にエール)「(長尾は)いろいろなポジションができるからこそ、いろいろなことに気づける。そういう選手がチームに1人、2人いると円滑に回るし、チームとしてはありがたい存在だと思うので、思い切りプレーしてください!」