3年ぶり5度目の優勝が懸かる世界王者の宇野昌磨(25=トヨタ自動車)が100・45点で首位発進した。優勝した今月上旬のグランプリ(GP)ファイナルで記録した今季世界最高の99・99点を国内参考記録ながら上回り、2位の島田高志郎(木下グループ)に12・76点の大差をつけた。

SP後の主な一問一答は以下

-振り返って

「ほんとに何だろう、自分の最高のコンディションでのSPの演技と比べると、まだできなかったところはたくさんありますが、今日の最大限はできたのかなと思います」

-演技後にリンクサイドへリアクションを見せた

「シットスピンがずっとレベル3だったので、今年は。それが(レベル)4を取れるようにと思ってやったんですが、途中まではしっかり数も数えて、間違えてしまって。そこですみませんという気持ちが出たんですけど。でも、すごくいい演技だったのかなと思いますし。6分間を滑った感触からして、全然練習してきたものとは違う感触だったので、それを焦るのではなく、今どうしたらいいのかを短時間でコントロールできたと思います」

-100点を超える点数

「今日できる最高の演技だったと思います。プログラム的にはもっと表現できたなとは思うんですけど、今日はあれがベストだと言い切れるので」

-朝の練習から衣装が変わっていた。

「朝は体が動かなかったのか、氷の感触が違ったのか、コスチュームが動きにくかったのか。さまざまな理由を感じていたので、少しでも複数できない理由があると、何が原因かわからないので、1つ1つ選択肢をつぶせればなと思って。とりあえず使ったことのある衣装を着たらどうなるかと思って滑ってみて。とりあえず6分間で衣装じゃないんだなって、滑っていて思ったので、そういった理由です」

-練習と本番で感覚にどのような違いがあったのか。

「練習はずっと滑っているので、どれだけ自分が思い通りに滑っていなくても、後半になれば試合は短時間の中でいい演技をしないといけなくて。それを6分間練習の間で後半は和せられましたけど、また上がって、もう1回滑ったらまたできないんだろうなって思っていたので。それをどうするかって思った時に、一番リラックスした方法を模索した結果が、あの演技だった」

-どうリラックスさせたのか。

「メンタルではなく、跳ぶ前に力が入って失敗していることが多かったので、どうやったら力を抜けるというか、スピードがこの氷は出ないんですけど、そこで無理に出そうとすると失敗するなって思ったので、出ないんだったら、出さずに。その中でジャンプを跳ぼうと思っていました」

-調整は年々うまくなっていますか。

「うまくなるというか、年々たくさんのことをしてきて。僕は1つの試合にかける思いが、ほんとに強くやって来たからこそ、1つの試合ですごく落ち込んだりとか、すごくなんだろう、そこまで深く思いつめなくてもっていうスケート人生を送ってきたと思うので。いろいろな経験、なに1つ投げ出さずにやってきたからこそ、状況がわかってきたので、それがしっかり行かせたSPだったなと思いますし。最近では、失敗もすごくいい経験になると分かってから、スケートを苦しくなくやることができていたので。数年前だったら、スケート人生、長くないなって思ってましたけど、今はいつ辞めようとか思ってないですし、いつまでやろうとも思っていないので、すごく短いかもしれませんし、長くなるかもしれませんけど、そういったメンタルで臨めています」

-キスクラのボードに書き込んだコメントをブラボーにしたのはなぜか。

「いやー、みんな『自分に勝つ』とか。あたりさわりないものを。僕、めっちゃW杯見たんですよ。サッカーファンになったので」

宇野昌磨が首位、2位に島田高志郎 鍵山優真は6位 全日本選手権男子SP詳細