逆転勝利で1年前のリベンジを果たした。早大は27-21で明大を下し、2大会ぶりに4強進出。前回大会でも準々決勝で明大と対戦し、15-20で敗れていたが、その雪辱を果たした。

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フランカー相良昌彦主将(4年=早実)の頭に昨冬の敗戦がよぎった。前半終了間際に得点を許し、1点を追って後半へ。1年前は15-8で折り返し、逆転負けを喫した。今年は自分たちが再現するしかない。

「やってやろうという気持ちが強かった」

勝利を信じて走り続け、後半17分にWTB松下怜央(4年)のトライで逆転。その2分後にはSH宮尾昌典(2年)が自陣でインターセプトし、独走トライを奪った。

逆転劇をリメイクした相良は「あの負けがあったから、今日勝てたと思う」と笑った。

今年1月2日。準々決勝で敗れたため、久々に正月を実家で過ごした。テレビをつけると、同世代のラガーマンたちが花園や大学選手権に挑む姿が映し出された。

「僕は何をしているんだろう」

眺めるだけの自分が情けなかった。

不退転の覚悟で挑んだラストシーズン。練習時から常に緊張感を求めたが、夏以降は負傷の影響でピッチを離れる日が増えた。もどかしかったが、学びもあった。

「厳しくやることだけが、正解とは限らない」

オンとオフの切り替えが大切だと実感した。

大田尾竜彦監督は相良の変化を感じ取った。

「出られないなりに役割を果たし、リーダー陣がまとまってきた」

醸成されていくチーム力。明大とのリベンジマッチは、チーム一丸で呼び込んだ勝利だった。

2年ぶりの“年越し”を決め、京産大との準決勝に挑む。

「ラグビーは球技ですけど、格闘技の面もあると思う」

魂を込めて、国立競技場へ。来年の1月2日は忙しくなる。【藤塚大輔】