札幌山の手が岐阜女を98-68で下し、11年ぶりの優勝に王手をかけた。岡井遥香(3年)谷口憂花(2年)らが序盤から得点を決めるなど、1試合で13本の3点シュートを成功。長身の留学生擁する相手に対し、アウトサイドからの攻撃が決まり、勝利をつかんだ。3度目の優勝をかけ、28日の決勝で今夏全国高校総体優勝の強豪、京都精華学園とぶつかる。

   ◇   ◇   ◇

札幌山の手の3点シュートが勝利のカギとなった。第1クオーター(Q)開始27秒、まずは谷口が先制シュートを成功。27秒後には、岡井が右サイドから真っすぐな軌道で得点を決めた。この日、3本の3点シュートを決めた岡井は「シュートが入ったのはみんなのパスのおかげ」とチームメートに感謝した。

森岡ほのか主将(3年)や岡井を筆頭に今大会3点シュートの成功が目立っている。5試合で森岡は33本中15本で成功率45・5%、岡井は25本中11本で44%を記録している。東京五輪銀メダルの町田瑠唯(29=富士通)を擁した10年、翌年長岡萌映子(28=トヨタ自動車)を中心に連覇した時のチームと比べ、神田英基監督(49)は特徴の違いを説明する。「あの時はインサイドでつくったチーム。違うのは3ポイント」と口にする。

2年前の準決勝で東京成徳大高に92-96で敗戦。僅差だったが、3点シュートの成功本数に大きな差があった。26本中11本成功の相手に対し、札幌山の手は23本中わずか4本だった。練習法は変化していないが、本数を増やし、3点シュートで得点を狙う意識は以前よりも高くなった。

この日、成功した3点シュートは13本。岡井、野原、谷口が3本、森岡が2本決めるなど、相手の4本を大きく上回った。徹底したディフェンスも光った。186センチの相手留学生ジェフ・ハディジャトゥ(2年)を14得点に抑え、リバウンドからの速攻で相手を圧倒した。

3度目の制覇に王手をかけ28日の決勝で総体優勝の京都精華学園とぶつかる。この日15得点の野原は「最後なので悔いの残らないように。チームに貢献して終わりたい」と意気込む。森岡主将は「みんなでこのコートを楽しんで、最後まで諦めないで戦いたい。(コーチの)上島さんを勝たせてあげたい」と笑顔をみせた。11年ぶりの頂点はもう目の前だ。【山崎純一】

◆札幌山の手の全国優勝 10年の全国高校総体で優勝。10年と11年には国体とウインターカップそれぞれで連覇を達成。10年には町田瑠唯らを擁し総体、国体、ウインターカップの3冠に輝いている。ウインターカップは8強11度、4強3度。

【高校バスケ「ウインターカップ」スコア速報】はこちら>>