“雑草魂”で初めて決勝まで勝ち上がって来た北見協会(キットカーリングクラブ)は、惜しくも準優勝となった。SC軽井沢クラブが2連覇を達成し、史上最多を更新する通算10度目の栄冠を手にした。

北見協会スキップの平田洸介(30)は「悔しい。やってきたことを最後のファイナルで出せなかった。ここまでくれば優勝しか目指していなかった」と話した。

試合はロースコアで進行。北見協会は前半1-3で折り返した。その後、互いに1点を取り合って迎えた第9Eで、痛恨の2点スチールを献上した。

両チームは3日連続で対戦。3日の1次リーグ最終日は北見協会が7-5で激闘を制し、4日のプレーオフではSC軽井沢クラブが11-9で競り勝っていた。

18年平昌オリンピック(五輪)でSC軽井沢クラブのリザーブだった平田が故郷北見に戻り、今のチームを立ち上げた。平田自身を含め、チームのメンバーは競技を続けることが困難になりそうな状況を経験。だからこそチーム結成時から、仕事と競技を両立する「デュアルキャリア」を掲げてきた。今大会中にも平田は「他のトップチームと違い、僕たちは下積み時代が長かった。踏まれても踏まれても強く攻めていく。それが僕らの雑草魂」と力を込めていた。

地元北見で行われた日本一決定戦。地区予選にあたる北海道選手権では、新型コロナウイルス陽性となった平田を欠く緊急事態となったが、チームメートが奮起。見事優勝し、日本選手権の出場権をつかんだ。

本戦では前年4位からさらなるステップアップを果たして準優勝。平田は「どんなシチュエーションでもめげないのが雑草魂。そういう大会だったし、そういうシーズンだった」。悔しさだけでなく、今後への収穫も手に入れた。

「北見の地から五輪金メダルへ」をチームスローガンとし、26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪出場を目指す。この日の決勝を終えた直後に平田は「負けたいまから再スタート」。雑草は踏まれるごとに強くなり、さらに上へと伸びていく。【奥岡幹浩】